解説
マイナポータル連携で医療費控除を出すと漏れる医療費の一覧
医療費通知に載らない医療費は4種類あります。先発品の特別の料金、市販薬、治療目的の自由診療、通院の交通費。領収書のどこを見ればよいかを薬剤師が整理しました。
薬剤師(薬機法管理者)が執筆。更新 2026-09-07
医療費通知に載るもの、載らないもの
マイナポータル連携で取得できる医療費通知は、保険診療として処理された自己負担分です。病院と薬局の窓口で払った保険分は自動で入ります。家族分は代理人設定をしておけばまとめて取れます。
裏を返すと、保険の外で払ったものは載りません。医療費控除の対象なのに通知に載らない医療費は、次の4種類です。
1. 先発品の特別の料金
ジェネリックがある先発品を患者の希望で使うと、薬価差の一部を「特別の料金」として別に払います。2024年10月に始まり、2026年6月からは差額の2分の1です。厚生労働省の疑義解釈で医療費控除の対象と示されていますが、保険給付の外なので医療費通知には反映されません。薬局の領収書で「選定療養」または「特別の料金」と書かれた行が該当します。
2. 市販薬
風邪薬、鎮痛薬、湿布など治療目的で買った市販薬は医療費控除の対象です。ドラッグストアのレシートは医療費通知に載りません。ビタミン剤や予防目的のものは対象外です。レシートに★印がある商品はセルフメディケーション税制の対象品でもあります。
3. 治療目的の自由診療
歯科の自費治療や眼科の一部の治療は、治療目的であれば対象です。美容目的は対象外です。領収書だけでは区別がつかないことがあるので、治療内容を書き添えて保管してください。
4. 通院の交通費
電車やバスの運賃は対象です。自家用車のガソリン代や駐車場代は対象外です。日付と区間をメモしておけば領収書は不要です。
世帯で合算する
医療費控除は「生計を一にする」家族の分を合算できます。同居していなくても、仕送りしている親や下宿中の子どもは含められます。載らない分を家族全員分で集めると、足切りの10万円を超えるかどうかが変わることがあります。
自分の世帯で確かめる
よくある質問
医療費通知だけで申告すると、どうなりますか
載らない分を申告し忘れるだけで、罰則はありません。ただし控除を受け損ねます。5年以内なら更正の請求で取り戻せます。
特別の料金の金額は、どこで分かりますか
薬局の領収書に「選定療養」や「特別の料金」として別枠で記載されています。金額が書かれていない場合は、薬価から概算できます。
出典と確認日
- 国税庁 No.1120 医療費を支払ったとき(確認日 2026-09-07)
- 厚生労働省 長期収載品の選定療養について(確認日 2026-09-07)
- マイナポータル 家族の医療費通知情報の取得(確認日 2026-09-07)
この解説は制度と費用の情報提供で、税務・医療の個別の判断を代替するものではありません。